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日本エシカルヴィーガン協会

“vegan”の表記は、ヴィーガン? ビーガン?

2016年6月19日 | ask-vegan

vegan” [ví:gən] の日本語表記をめぐり論争が起きている。

本来、「ビーガン」だろうと「ヴィーガン」だろうと、言語は文化なのだから通じる範囲で自由に表現すればよいのだが、問題も出てきた。「ヴィーガン」の表記が「間違い」だと主張されることもあるため、事実の整理が必要となっている。

結論から先に言うと「ヴィーガン」が望ましい。理由は、発音上の違いが大きいこと、類似例からして一般的であること、そして何よりも、「ビーガン」では恰好悪いからである。

実際の使用例

まず、実際の使用例を見てみる。ウィキペディアでは、veganism の項目で 「ヴィーガニズム」の表記を採用している。ここでは、特に「ビーガン」の表記は見当たらない。

また、日本政府(観光庁)が作成した文書においても、外国人観光客を接待する際の注意事項をまとめた 接待マニュアル において、以下抜粋の通り、「ヴィーガン」の表記を採用している。

○最も厳格なベジタリアン: 「ヴィーガン」
一切の動物性食品(肉類・魚介類・乳製品・卵など)のほか、ハチミツも食べず、革製品など動物から得られる製品も使用しない。
(出典)観光庁『外国人客への対応マニュアル(抜粋版)』 Pg.14
発音上の問題

一番大きな問題が発音だ。英語の感覚のある方の殆どが、「ビーガン」の表記には かなり違和感がある、不自然である と指摘する。「ビー」の表記では [ví:] の音を連想できないからだ。体感的には、「ヴィーガン」と読めば英語圏で通じるだろうが「ビーガン」では通じない。それぐらい大きな違いがある。

なお、「ヴィーガン」と表記するなら、ベジタリアンを「ヴェジタリアン」と表記すべきという主張も見られるが、これには根拠がない。同じ「v」で始まる英単語は一緒に扱わないといけないというカタカナ英語の発想自体に無理がある。そもそも「ヴィー/ビー」の音と「ヴェ/ベ」の音は大きく違うからだ。むしろ「ヴェジタリアン」より「ベジタリアン」の方が原語に近い音となるし、「ベジタリアン」で十分に通じる。また、「ベジタリアン」についてはすでに定着しているため、変える場合には相応の理由が必要となる。

その意味でも、かなり違和感のある「ビーガン」が定着してしまってからでは変更は困難となるため、「ヴィーガン」の表記を定着させていく必要があろう。

文化庁の外来語表記の目安

言語というのは政府が決めるものではないが、政府のガイドラインは公式文書などには影響を及ぼしうるものであるため、内容を確認しておく。

まず 本ガイドライン の位置付けを確認する。文化庁が、「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころ」として内閣告示を発したものであり、各行政機関においてはこれを「外来語の表記」のよりどころとすべき旨の内閣訓令を発したもの。法的義務も罰則規定もないが、政府機関においてはこれを参照することで、公式文書の表記のゆらぎを最小限にしようとすることは想定される。

【前書き】
  • 前書き1: 「この『外来語の表記』は、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころを示すものである。」
  • 前書き2: 「この『外来語の表記』は、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。」
【「外来語の表記」に用いる仮名と符号の表】
  • 注釈1: 「第1表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を書き表すのに一般的に用いる仮名とする。」
  • 注釈2: 「第2表に示す仮名は、外来語や外国の地名・人名を原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名とする。」
  • 注釈4: 「第1表・第2表によって語を書き表す場合には、おおむね留意事項を適用する。」
【留意事項その1(原則的な事項)】
  • 第4項: 「国語化の程度の高い語は、おおむね第1表に示す仮名で書き表すことができる。一方、国語化の程度がそれほど高くない語、ある程度外国語に近く書き表す必要のある語―特に地名・人名の場合―は、第2表に示す仮名を用いて書き表すことができる。」
  • 第5項: 「第2表に示す仮名を用いる必要がない場合は、第1表に示す仮名の範囲で書き表すことができる。」
【留意事項その2(細則的な事項)】
  • 第Ⅱ節「第2表に示す仮名に関するもの」において、「第2表に示す仮名は、原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名で、これらの仮名を用いる必要がない場合は、一般的に、第1表に示す仮名の範囲で書き表すことができる。」とあり、
  • 第7項において、「「ヴァ」「ヴィ」「ヴ」「ヴェ」「ヴォ」は,外来音ヴァ,ヴィ,ヴ,ヴェ,ヴォに対応する仮名である。」とあり、「一般的には「バ」「ビ」「ブ」「べ」「ボ」と書くことができる。」とある。
【付録(用例集)】
  • 「凡例」において、「この用例集においても、ここに示した語形やその書き表し方は、一例であって、これ以外の書き方を否定するものではない。」とある。
  • 更に、用例集においても、「ヴィー」の音で始まる語が3つ挙げられているが、「ビーナス/ヴィーナス」、「ビクトリア/ヴィクトリア」、「ビタミン」とあり、前2者は併記になっている。

これを、ヴィーガンに関して要約すれば、

  • ヴィーガンという単語が、「国語化の程度がそれほど高くない語、ある程度外国語に近く書き表す必要のある語」ということであれば「ヴィーガン」の表記でよい。一方、ヴィーガンという語が「国語化の程度の高い語」ということであれば、「ビーガン」の表記でよい。
  • また、「原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合」であれば「ヴィーガン」の表記でよいが、そうでないなら「ビーガン」の表記で置き換えられる。
  • 仮に、今後、用例集にヴィーガンが追記されることとなったとしても、ヴィーナスの例と同様に、「ビーガン/ヴィーガン」の併記の形になる可能性が高い。

つまり、ヴィーガンという語は国語化の程度は極めて低く、かつ、原音に近付ける必要がある(「ビーガン」では原音からかなり離れる)ケースであるため、よって、本ガイドラインにおいても、「ビーガン」より「ヴィーガン」の表記が適すると解釈するのが自然であろう。

結論としては

やはり、「ビーガン」を採用する積極的な理由は何もないのに対して、発音上の問題からは「ヴィーガン」である必要性が高く、かつ、「ヴィーガン」と表記することの問題点は何もないのであるから、「ヴィーガン」の表記を採用することが望ましいと言えよう。

更には、「ビーガン」では原語が何かが分からなくなるうえに、見た目が格好悪いので、可能な限り「ヴィーガン」に切り替えて頂きたいものである。

5 件のコメント

    • 2016-08-08 19:34

    Kewl you should come up with that. Exectlenl!

    • 2016-11-12 01:50

    結局、格好いいか、格好悪いかの話のようですね。

    • 2016-11-12 21:23

    「ヴィ–ガン」の主張、かなり無理がありますね〜〜

    • 2017-01-05 06:37

    そう。文化ですから、どういう表記がフィットするかです。「珈琲」でも「コーヒー」でもいいわけです。 by Ken

    • 2017-01-05 06:40

    その一方で、発音上の問題がありますので、「ヴィーガン」の方が圧倒的に良いわけです。ベーガンはともかく、ビーガンでは知らない方は [bí:gən]としか読めません。今のうちにより原音に近い方を定着した方がいいわけです。 by Ken

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